IrodoriTTS Studio

ローカルの音声合成モデルを、VOICEVOXのような操作感で使えるデスクトップアプリ。

IrodoriTTS Studioの画面。左にナレーター・つむぎ・あおいなどの話者一覧、中央に台本の行、右に話速・スタイル強度・滑舌・シードの調整パネルと感情パレットが並んでいる。

PC内の音声合成モデルを台本形式で扱えるようにした、Windows向けデスクトップアプリです。12種類のキャラクタープリセットを用意し、行ごとに話者・話速・スタイル強度を変えながら台本を書いて試聴できます。「試聴で気に入った声がそのまま書き出される」ようにシードを固定する仕組みを入れ、使った指示文・パラメータ・シード・各行の開始秒をJSONで残すことで、あとから同じ音声を作り直せるようにしました。exeとして配布し、ダブルクリックだけで使えます。

拡散モデルの音声合成を、VOICEVOX の操作感に寄せる

Irodori-TTS は音素ベースではなく拡散モデルなので、VOICEVOXのような「アクセント句を手で直す」操作がありません。その代わり、声の指示文(caption)と感情パレットで演技を作ります。この違いをそのまま出すと、VOICEVOXに慣れた人ほど何をどう触ればいいのか分からなくなります。

そこでUI側の言葉をVOICEVOX寄りに翻訳しました。内部のパラメータを、話速・スタイル強度・滑舌・声の再現度・品質という見出しに置き換えています。たとえば話速は内部では長さの倍率なので、UIで速くしたときに値が下がる向きを吸収しています。VOICEVOXに無い軸(テキストへの忠実さ、参照音声への似せ具合、拡散ステップ数)は、名前を付けたうえでそのまま出しました。

「試聴で気に入った声」がそのまま書き出される

拡散モデルはシード値によって声が変わります。試聴して気に入った読み上げが、書き出しでは別の声になる——これが、この方式のツールでいちばん困るところです。

そこで、シードがランダム設定の行は最後に試聴したときのシードを固定して書き出す仕様にしました。行ごとの書き出しでも1ファイルにまとめた書き出しでも同じです。さらに、使った指示文・各種パラメータ・シード・各行の開始秒を、書き出しフォルダに設定ファイルとして残しています。数日後に1行だけ録り直したいときでも、同じ声で作り直せます。

台本を書く速度でキーボードだけで進む

動画のナレーションは行数が多くなるので、マウスに持ち替える回数がそのまま作業時間になります。台本エディタは行単位にして、キーボードだけで一通り操作できるようにしました。

  • Enter で次の行を追加、Shift+Enter は行の中で改行
  • Ctrl+Enter でその行を再生、入力欄の外で Space を押すと連続再生と停止
  • ↑↓ で行を移動、Ctrl+D で複製、Ctrl+Backspace で削除
  • Ctrl+S でプロジェクトを保存

起動してから使えるようになるまでを隠さない

モデルの読み込みには時間がかかり、GPUでも初回はおよそ50秒かかります。無言で待たせると壊れていると思われるため、ウィンドウは先に開いて裏で読み込み、右上のランプが「準備完了」になったら使える形にしました。

キャラクターは12種類のプリセットを用意し、行ごとに切り替えられます。自分の声を使いたい場合は、お手本の音声を数十秒ぶん置くだけで真似させられます(学習は不要です)。

使用技術
  • Python
  • TTS(音声合成)
  • デスクトップGUI
  • exe配布
担当
  • 企画
  • UI設計
  • アプリ開発
  • 書き出し・再現性の設計
  • exe化
成果
  • 12キャラクターのプリセットを搭載
  • 試聴した声をそのまま書き出せるシード固定を実装
  • 指示文・パラメータをJSONで保存し再現可能に
制作期間
制作済み
ステータス
配布中

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